朝があけたらそこにあなたがいた
かすかに開いた口と上下している胸
そんな生のしるしがひどく不似合いだった
よくわからない輪は静かに硬かった
どんな夜でもおやすみを欠かさない
そして朝あけには白いまぶたが開く
澄んだ雪肌にただ指をはわせて
限りある幸せの形をなぞったんだ
痛みも悲しみも尽きないけれど
ここにいるあなたの存在に救われた
どんな絶景よりあなたを見てたいけれど
起きるたびあなたがいることが不思議だ
きっとあなたはいつか朝靄へと消えて
私は悟るだろうその時が来たんだと
霞んだ声でおはようとつぶやく
今までの日々はそう繰り返されてきた
今はこのままでなんでもいいやと
安心してそう思うことができたんだ
失うことを恐れたりはしない
もう既にたくさんの朝をもらったから
悔やまないよう貯めておこうとするよりも
退屈なくらい当たり前な一日を
あなたと過ごしたい
もしあなたがある朝靄に消えても
同じように朝が来ておはようと言うのだろう
あなたがくれた今までのすべてを
抱えたまま私は恐れず生きていける
朝があけるかもわからないけど
今はただおやすみ
Originally released as 浅緋